アデレード支店開設にむけて

先週、アデレードという南オーストラリア州の州都に出張に行ってきました。シドニー、メルボルン、パース、ブリスベン、ゴールドコーストに続く6番目の支店としてオフィスを持つかどうかを判断するというのが目的でした。オーストラリア第5の都市であり、エコノミスト誌の世界の住みやすい都市ランキングでも5位のこの街が日本からの留学生にとって適した場所なのか、いくつかの観点から視察し、11月にアデレード支店を開設する事を決めました。これから、時々アデレードの街の紹介もしていきますが、まずはいくつかの特徴から。

日本人が少ない
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5日間アデレードに滞在しましたが、街中でほとんど日本人には遭遇しませんでした。過去には日本の多くの旅行会社や留学会社がオフィスを出していたそうですが現在では数えるほど、この数年で撤退した日本人が多いようです。しかし、日本人が少ない留学先を探している留学生には面白い機会になるかもしれません。特に私たちの会社を使って留学するお客様は、意識が高い方が多いので、日本人がいなくても頑張れる人にはこの街は向いていると思います。

公園に街が囲まれている
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アデレードは1800年代前半から自由移民をヨーロッパから受け入れ、その段階から計画されて作られた街なので、市内中心部を取り囲むように公園があります。ですから市の中心部にいたとしても、10分くらい歩けばすぐに公園でくつろげる事が出来る環境です。これは日本の若者たちに取って、街というものを考える意味でとても新鮮なことだと思います。

大学が3校、専門学校、語学学校が十分な数だけある
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人口100万都市に大学が3校あるというのも教育が充実しているオーストラリアらしいところです。オーストラリアの大学はほとんどが公立大学ですので、アデレードにある、アデレード大学、南オーストラリア大学、フリンダース大学すべて公立大学です。語学学校も整備されているので、地元の大学生と同じキャンパスで学ぶ事もできます。私のお勧めはフリンダース大学附属の語学学校です。

海に行くにも山に行くにも30分圏内。
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市内はけっこう広いなという印象ですが、郊外に目を向けるとすべてがコンパクトな感じです。お会いした皆さんが、どこへ行くにも30分圏内で行けるのがとても楽だと話してくれました。写真はトラムで20分程度で行けるGlenelgというビーチです。シドニーで言えばマンリービーチのような雰囲気の場所でした。

アデレードは初期の頃からドイツ人の移民が多く、ブドウ栽培が盛んでバロッサバレーなどのワインで有名な地域も多く、また食の文化やフェスティバルなども有名なので、今までは日本ではあまり知られていなかった新しいオーストラリアの魅力的な留学をお届けできると思っています。ぜひ、すでにオーストラリアにいる留学生の皆さんたちも、支店が開設されたらぜひ遊びに来てください。

 

オーストラリアらしいMBAプログラム

先日、ブリスベンとゴールドコーストにキャンパスを持つグリフィス大学のビジネススクールの新たな方向性についてのセミナーがあったので参加してきました。
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グリフィス大学は中堅の大学で、国内トップ大学のクィーンズランド大学( University of Queensland )やブリスベンの市内にあるクィーンズランド工科大学(Queensland University of Technology)などと競争をしています。ランキングが上のこれらの大学と戦うために、グリフィス大学は大きく2つの方針を打ち出しています。

一つは、「環境」というキーワードでトップになりたいということ。地球温暖化が本当かなどという議論は科学者に任せておいて、ビジネススクールの観点で環境問題は絶対に避けて通れない問題として、その分野を充実させようとしています。それは持続可能なビジネス創造や開発国などのビジネスなど実は大きな活躍できる場があるのだと思います。

もう一つは、デジタル社会における学び方の提案です。オンラインで学ぶ人が急増していく中で、出来るだけ多くの教材をデジタル化して提供して、24時間勉強できる体制を整えています。フレキシブルな学びを提案する事で、他の大学との差別化を図りたいということでした。

ビジネススクールの方向性としても、以下のような共感できるメッセージを掲げています。

Business is more than creating wealth for just a few. It’s about creating ethical, sustainable societies that build prosperity for everyone!      Griffith Business School Principles

『ビジネスは少数の人々のために富を創造するものではない。それはすべての人々の繁栄のために倫理的かつ持続可能な社会を創り出す事だ。』

将来外資系金融企業に行くのであれば、どうぞアメリカのMBAへ。しかし、持続可能なビジネスをしっかりと立ち上げて世界に貢献したいのであれば、このような大学院も選択肢にいれてみたらいかがでしょうか。

 

まずはテストを受けてみよう

オーストラリアで大学や大学院に通ったり、永住権を取得するためには、いつかは英語の試験を受けなくてはならなくなります。そんな話を若者たちとすると、IELTSでもTOEFLでもまずは勉強して自信がついたら受けてみたいですと答える方たちが多いのです。そんな人が多いので、英語試験用の塾とか予備校という業種が日本では発展するのでしょうね。
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まずは練習してからという戦略は、はっきり言って時間とお金の無駄だと思います。

テストを受けようと思ったら、1ヶ月後でも2ヶ月後でも次のテストの予約をすべきです。そして、そのテストに向かって自力で勉強をしてみましょう。図書館に行けば過去のテストの問題集を借りる事もできるし、古本だって売ってます。過去の問題集とネットにある情報で自分なりの計画でテストを受けてみるのです。

テストを受けてみると、思わぬ発見があります。まずは、どんな環境でテストを受けるのかとか、テストの流れについても理解が深まります。リスニングの環境とかリーディングの時間の制約とか、分かっていたつもりでも実際のテスト環境で感じる事は自分で勉強している世界とはかなり違うのです。最初のテストは、気づける事は全部気づいておけるように、終わったらすべてメモに残しておきましょう。そうすれば次に受験するときには無用なストレスは抱えずに、解答する事に集中できます。

さて、2週間くらいすると結果が送られてきます。目標に対してどのくらいの点数が取れているかで、今後のスケジュールと本当に予備校のようなところに通うかのか自分で頑張るかを検討すればいいと思います。きっと自分なりのアイデアが出来ているはずです。集中して勉強すべき事が見えているから、長い期間塾に通う必要も無いでしょう。あるいは、塾以外の対策も思いつくはずです。

例えばスピーキングだけが心配なら、ネイティブの先生とマンツーマンでチャットできるような安い英会話に10回くらい申し込んで、ひたすら質問してもらえばいいのです。実際私がIELTSを受験したときは、そのようなスピーキング対策をしました。

まずは、テストを受けてみる。大学受験と違って英語のテストは何度でも受けられます。ですから場に慣れることができるという特権は活かした方がいいと思います。

 

 

 

成長戦略か延命戦略か

選挙が終わった日本のニュースを読んでいると、今後の日本の成長戦略は何か?というトピックが多いようですが、議論されていることが、成長戦略なのか、時間稼ぎのための延命戦略なのかは注視していかなくてはならないと思います。

企業を経営する身となってみると、継続して成長するためには数多くの手を打たなくてはならず、その分失敗する事は多くなります。しかし、その小さな失敗たちが大きな成功のネタになるので、新規事業がどんどん生まれる企業文化を作る事はとても重要な戦略のひとつです。しかし、日本社会はとかく失敗に対して「いかがなものか」と弱いものいじめにいそしむ人たちも多く、それによって本当の成長戦略よりも失敗の無いあたりさわりの無い延命戦略になりがちです。そんな空気が浸透しているので、若者たちのマインドもリスクを背負うよりも、現状維持を選ぶ傾向にあるようです。
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そして、それは留学生にも影響していて、失敗を恐れずに成長戦略を持ち続けている人と、居心地のいいオーストラリアにいるための延命戦略に変わってしまっている人がいるのです。はじめは自分の成長のために留学をして、様々な事にチャレンジして、ときには苦しい思いをしてもなんとか乗り越えて世界に羽ばたいていこうと思っていたのに、知らぬ間にオーストラリアにいることが一番の目的になってしまって延命だけをしている若者をたち。延命はもうそこでしか生きれなくなってしまうから、日本にも怖くて帰れない。そんな若者たちが世界各地の留学に人気のある街には必ずいます。

しかし、そんな若者たちと話してみると、実はそのような生活に満足はしていなくて、どう変えたらいいのかのキッカケがつかめないだけ。そんな若者たちにも、役に立てるのが、現地にいる留学会社の面白さだと思っています。

社会の変化は待っていられない

僕たちの世代は、社会に入るときに「新人類」と呼ばれ当時の大人たちには理解できなかったようですが、その僕たちも大人(それもかなりの)になって、この30年くらいを振り返ると、ほとんど日本の社会が変わっていない事に唖然とします。もちろん、30年前に比べたら女性の社会進出も、海外に行く人々の数も、いくつかの局面では大きく改善もしているでしょうが、なんか社会を包んでいる空気みたいなものは、ほとんど変わっていない感じがします。
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私にとって一番居心地が悪いのは、大事な事を先送りしながら、多くの人たちが何かを待っているということです。誰かが、それが力強い政治家なのか、正義の味方なのか、優秀な官僚たちなのか分かりませんが、社会を変えてくれるのではないかと待っている、あるいは「待っててもしようがないよね」とブツブツ言いながら結局そこに留まっている人々が、日本の空気をずーっと作っています。

希望的観測の元に、長期的な視点で将来を考えれば、必ず社会は良くなっていくでしょう。毎日毎日少しずつ良くなっていって、いつか素敵な社会ができることでしょう。しかし、皆さんはその日まで待てるのでしょうか?皆さんの子どもたちはその日まで待てるのでしょうか?僕は自分の子どもたちの未来を考えたときに待てませんでした。だから子どもたちだけでも、世界というフィールドで生きられるようにと思い、オーストラリアで勉強させました。それから15年経って、「グローバル人材」とか言う言葉とともに、社会が追いついてきた?感じがします。

社会という時の流れと、一度しかない自分の人生の時間の流れはきっと整合しないと思います。それでも待ち続けるか、リスクも考慮しながら動き出すのかは人生における大きな課題です。

 

小さい大学で修士号を取る戦略

サザンクロス大学という中堅の大学に行ってきました。この大学は、ゴールドコースト、リズモア、コフスハーバーと言う、クィーンズランド州南部からニューサウスウエールズ州の北にある町にキャンパスが分散しています。今回私が訪れたのは、新しくビルを建てているゴールドコーストキャンパス。
Gold Coast Campus exterior  2013-06-03 24

copyright: Southern Cross University


このキャンパスはゴールドコースト空港の横にビルがあるので、日本との行き来はとても便利。都会の喧噪はいやだけど、都会に出るのに何時間もドライブしなくてはいけないくらい田舎も嫌いという人にはいいかもしれません。大学の教授の中には、大学に出勤する前に毎朝サーフィンをしてから来るという方もいて、とてもフレンドリーな先生たちでした。

ただ、このような小規模の大学には、クィーンズランド大学などのような広大なキャンパスで多くの学生たちが芝生で勉強しているなどの環境は無いので、私としては大学生ではなく、修士を取得するという明確な目的がある大学院生にお勧めです。現在、オーストラリアでは優秀な留学生を増やすために、2年間の修士プログラムを卒業するとその後の2年間の滞在ビザを申請でき、その間に就職をしてビジネスビザや永住権につなげやすい環境が整っています。

たとえオーストラリアでの永住権が難しくても、オーストラリアでの修士資格は日本をはじめアジアやその他の国での就職には有利になります。日本で大学を卒業した人は、ワーキングホリデーという選択肢だけではなく、オーストラリアで大学院に行く事も検討してみてください。確かに費用はずーっとかかりますが、ワーキングホリデーの後にオーストラリアに住みたくなってバイトと安い学校でビザをつないでいくよりも、長期的には成功できると思います。

全力を出し切っているのか?

7月の最初の週末は、毎年ゴールドコーストマラソンが開催されます。今年は団体登録が可能な20名以上のメンバーを集めて「オーストラリア留学センター」チームで参加しました。団体で登録すると10%割引になるし、ゼッケンの受け渡しなども代表者が前日に会場まで取りに行けばいいので、とても便利でした。今後も毎年続けていければと思っています。

私はハーフマラソンを走ったのですが、昨年は無計画で走って後半フラフラだったので、今回は計画をしっかり作って走ってみました。最初の11キロは1km5分ペース、残りの10kmは6分ペースというものです。予定通りに1時間55分でゴール。計画通りだったので、それはそれで満足しなくてはいけないのですが、観客が並んで応援してくれる最後の300メートルは、スピードアップして颯爽とゴールしたいと思っていたのに足が動きません。体がそのゆっくりとしたペース以外受け付けなかったので、同じペースでゆっくりとゴールしました。満足満足、と思っていたら、私の考え方を覆す衝撃的な光景が。。
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そうです、フルマラソンで優勝したのはあの公務員市民ランナーの川内選手。毎月フルマラソンの試合に出ながら、毎回死んでもいいというくらいすべてを出し切る事で有名な選手です。今回も2位に1分以上の差をつけて、独走なのに最後のこの必死な走り方。私の倍の距離を走っているのにこの違い。全力を出し切るというのが、いかに練習や努力や準備が必要なのかを思い知らされた経験でした。
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「自分はあんなに全力を出し切って生きているのか?」日曜日から、私の頭の中で何度も繰り返されている自分への問いかけです。
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アジアでは作れないアジアのネットワーク

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先日、クィーンズランド大学のエージェントセミナーに参加してきました。アジア・オセアニアのトップのビジネススクールを持つこの大学へは世界から多くの留学生たちがやってきます。残念ながら日本から参加しているエージェントは私たちだけ、他の日本のエージェントは語学学校だけに焦点をあてているのかもしれません。


セミナーの中で印象に残ったのは、クィーンズランド大学で学んでいる留学生の国別ランキング。中国、香港、韓国、シンガポール、マレーシア、、、そして日本は8位でした。

これは何を意味しているのかと言えば、アジア各国の優秀な学生たちはオーストラリアの大学に学びに来て、すでにネットワークを作り始めているのです。もちろん、そこにはオーストラリアの若者たちも加わり、アジア・オセアニアの将来活躍する若者たちが動き出しています。日本人の学生たちがその流れについていけているのか、ちょっと心配です。

日本の企業やそこで将来働く若者たちにとって、アジアやオセアニアとのネットワークは必ず構築していかなくてはならないものです。それをアジアに行って作るのか、多くの優秀な若者が集うオーストラリアの大学で作るのか、戦略としてどちらが効果的なのか考えてみるべきだと思います。

 

二極化はいつの時代もどこにでも

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どんな業界にも伸びている会社と低迷している会社がある。

どんな時代にもワクワクする商品とそれを模倣する商品がある。

どんな都市にも高い学費を払うに値する学校とお金を捨ててしまう学校がある。

どんな国にも、成功する日本人留学生と、

「つまんねー」と言いながら日本人同志でつるんでいる留学生たちがいる。

どんな世界でも、自分の環境を自分で変えていける人間と、

「社会が悪い」と文句を言いながら世界が変わる事を待っている人間がいる。

そして、人生は一度きりだ。

最低賃金がまた上がる

オーストラリアでは、毎年7月が会計年度のスタートとなり、この時期には次年度の最低賃金などが発表されます。先日発表されたこの7月からの最低賃金は時給16.37ドルです。1豪ドルが90円とすると、日本円では1,473円です。日本の全国の平均最低賃金は時給749円。(厚生労働省のホームページより)ということはオーストラリアの最低賃金は日本のほぼ倍であるということが分かります。
オーストラリアドル

私のようにオーストラリアで会社の経営をしていると、最初の頃はその人件費の高さに頭を悩ます事も多かったのですが、今は逆にそれだけ払うのだから、育成して付加価値を生んでくれる一人前のスタッフとして頑張ってもらおうと発想の転換が出来ました。(というか、そう考えなければ、経営は成り立ちません。)そうなると、若手でも新たなチャンスが与えられ、やらせてみると、とてもいい働きをしてくれて、そのスタッフもさらに成長するという、会社にとってもスタッフ個人にとってもうれしい状況が生まれます。

日本で最低賃金を上げると、経営者が人員削減に走るから良くないという人もいるようですが、長期的な視点で考えたら、賃金を上げてそれに見合った付加価値を従業員に求めていった方が、従業員の方もスキルアップができるので、企業も個人も成長できるので社会としては好ましいと思います。日本もオーストラリアのように倍の最低賃金レベルに思い切って変えてしてしまうと、思わぬ発想の転換が出来るかもしれませんね。