小さな観光の街の小さな学校

ゴールドコーストから1200キロほど北に向かったところに、ウィットサンデーというグレートバリアリーフに面した地域があります。エアリービーチという街からは、ハミルトン島やグレートバリアリーフへクルーズ船が運行しています。オーストラリアに住んでほぼ3年になりますが、まだまだ行った事の無い街も多く、今回も初めての旅となりました。

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この街には、オーストラリアで最も古い語学学校のひとつのSACEのウィットサンデー校があります。SACEはSouth Australia College of Englishの頭文字をとった名前で、本校はアデレードにあります。私たちが昨年アデレード支店をオープンしてから、おつきあいが深くなったSACEの経営者に、ウィットサンデーは良いところだと薦められてやってきました。学校も綺麗なビルに入っていて、アットホームないい雰囲気でした。

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この街の良いところは、会う人たちがとてもフレンドリーで、すぐに話しかけてくる事。レストランでも、その店のオーナーが日本での旅行の事や日本企業とのビジネスの話をしてくれたり、マーケットでも息子が表参道に出来たAppleストアで働いているので、日本に行ったらよろしく伝えてくれと、おじさんがいきなり話しかけてきたりして、とても楽しい街です。

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海が好き、ダイビングが好き、小さな街が好き、のんびりと勉強したいという人にはとてもお薦めの場所だと思います。

誕生日に何をするか

今日は52歳の誕生日でした。50歳を過ぎて誕生日もないだろうとは思いますが、SNSの時代は多くの人にメッセージをもらえて、とてもありがたい事です。考えてみれば、若い頃に家族以外に誕生日を祝ってもらうなんてことは無かったし、僕の誕生日を知っている友だちも数名さえいなかった気がします。こんな時代に生まれている今の若い世代は、とても幸せですね。

しかし、せっかくの誕生日ですから自分のためにも少し時間を使う事にします。

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僕は、毎年誕生日にモレスキンのノートを新調します。そこには、このブログのネタ、毎朝社員に書いているメールのネタ、本を読んでいてふと気づいた事などを書くようにしていて、ちょうど1年で1冊が終わるペースがこの数年続いています。今日も2013年6月15日からスタートしたノートを読み返していました。この1年で、出来た事、出来なかった事、ネタは書いたけどブログには書けなかった事、読み返しながらまた新たな思いで1年をスタートできそうです。

現段階でひとつだけ、この52歳のうちにしようと決めている事は、ゴールドコーストから新しい街に住んでみようということ。どこに住むかはまだ決めていません。2年とか3年の間隔で、自分が気に入った新しい街で生活するようなライフスタイルやワークスタイルを実践していく事も、僕の役目なのではないかと最近思っているので、実験台として楽しんでみたいと思います。

大学の授業の中でインターンシップ

日本の大学を1年間休学して、オーストラリアでの大学でも学びたいと思う大学生たちからの問い合わせが増えています。

正規の交換留学だと人数が限られているし、その選考に残るのは難しそうという学生たちにお勧めなのが、大学附属の語学学校と大学授業のパッケージプログラム。もちろん、このプログラムを受けるためにも相応の英語力が必要となってくるので、かなり努力が必要ですが、せっかく休学をするなら世界中の学生たちと大学の授業を受けることも経験してほしいと思います。そして、そのようなプログラムはオーストラリアのほとんどの大学で受講可能なので、提携大学にしばられることもなく、行きたい場所で勉強できるのがメリットです。

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西垣佳奈さんは、1年間の休学の中で、前半はグリフィス大学附属の語学学校で英語力を高めて、後半はグリフィス大学の授業を3科目取っています。そして、そのうちの1科目に地元の企業や団体に派遣されて行うインターンシップを選びました。彼女が派遣されたのが、地元の小学校の創立記念イベントの運営をするという仕事でした。仕事環境は彼女以外全員がオーストラリアのネイティブの人々。よく留学生たちはオーストラリア人の中に入って仕事がしたいと言いますが、実際そんな環境でいきなり仕事をするとなったら本当にストレスです。彼女も最初は会議に全くついていけずに泣きそうだったということです。それでも、少しずつ環境にも慣れ、彼女の意見も聞いてもらえるようになって運営メンバーの一員として認められていく過程は、将来グローバルな環境で働くためにはとても良い経験だと思います。

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そして、そのイベントの当日に私も見学に行ってきました。もっとこじんまりとしたイベントだと思っていたら、校庭には遊園地のようなアトラクションは来ているし、オーストラリア版の屋台も出ていたりして地元の人たちを巻き込んだ大イベントでした。講堂では学芸会みたいなものもやっていて、この雰囲気は国が変わってもとてもいいですね。

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佳奈さんは、くじを引いて、おもちゃなどが当たるブースの担当として、子どもたちや親たちの質問などにしっかりと答えていました。

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大学の授業の一環として、こんな科目があるのはとても珍しく、オーストラリアのコミュニティーを体験するにはお薦めのプログラムです。

自分らしく生きろと語るために

最近の私の働き方は、オーストラリア6都市と東京にいるスタッフ一人一人と隔週でネット会議を行っているのと、その間の週には出来るだけ出張に出かけて学校の方との打ち合わせに当てています。しかし、出張の時に会うだけではコミュニケーションが密に取れないので、学校の方ともネット会議を試しています。無料のシステムも増え、かつ品質も数年前とは比べ物にならないくらい安定しているので、どんどん世界は小さくなるなと実感しています。

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先日は、シドニーの学校の経営者とネットで打ち合わせをした後に、いきなりアメリカのアリゾナ州に住んでいる私の25年前の留学時代の恩師から連絡があり、ネット会議で7年ぶりくらいにお顔を拝見しました。ビジネススクールのマーケティングの教授だった方が、現在は引退され、同じような引退後の老人たちのカウンセリングやセミナーをする新規ビジネスを立ち上げて、元気にその夢を語ってくれました。

マーケティングのコンサルティングとして、どこかの企業の顧問や社外取締役などには十分になれるのに、70歳でベンチャーを始めてしまうのがかっこいい。「歳をとればとるほど自分の心からやりたいことをやるんだ」と語ってくれた元教授の言葉は、自分の残りの人生についての方向性のヒントを教えてくれました。

若者に「自分らしい人生を生きろ」と語るのであれば、私も70になっても80になっても、チャレンジャーで、アウトローで、謙虚で、頑固で、そしていつも笑っていたいと思います。

世界遺産の森を作った山に登る

ゴールドコースト近郊には、SpringbrookやLamingtonなどの国立公園があり、その森は世界遺産にも登録されているとても美しい場所です。これらは、火山で出来たカルデラの縁に当たる部分で、その中心にあるかつては火山の噴火口であったのがMt. Warningです。最後の噴火が2300万年間前という事ですので、随分と古い大地です。
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ご覧のように、とても印象的な形をしているので、ゴールドコーストからバイロンベイなどにドライブする時に必ず探してしまう、この辺りの人々には馴染み深い山です。その頂上ではオーストラリアで最初に日の出が見えるという事で、初日の出を見に登る人たちも多いとか。
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先日、週末をその近くの街で過ごしたので、せっかくだから登ってみることにしました。ちょうど、イースターのお休みの時期だったので、子ども連れも多く、高尾山に来ちゃった感じの人の多さでした。昇りは2時間30分くらい、最後はこんな鎖を伝って登らなくてはいけないので、山登りをした達成感と素晴らしい景色に感動しました。
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ゴールドコーストは、ビーチはもちろんですが、本当に山側もいいです。サーファーズパラダイスでだらだらビール飲んでないで(僕のことか)時間を見つけて、友だちと車に乗って(一人山登りはさみしいです)山に向かいましょう。必ず、新しい視点を発見できると思います。

ハッピーフレンズ:柴田奈々さん

今回のハッピーフレンズは、ブリスベンのグリフィス大学でアジアン・スタディー(アジア学ですね)を専攻している柴田奈々さんです。彼女は考え方もしっかりしていて、とにかく、話していて楽しい留学生の一人です。

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なぜ、オーストラリアの大学に留学しようと考えたのですか?

中学校3年生の時に修学旅行でパースに2週間行き、それがオーストラリアとの出会いです。現地サポートがオーストラリア留学センターで、支店長の早川さんには、その時からすごくお世話になりました。パースでの印象がとても良かったので、必ずオーストラリアでまた勉強したいと思ったのです。中高一貫校だったので、大学はオーストラリアの大学、あるいは日本の大学に行ってもオーストラリアに交換留学をしたいと考えていました。

グリフィス大学でアジアン・スタディー(bachelor of Asian Studies)を専攻されていますが、その理由はどうしてですか?

実は、最初はホスピタリティーの勉強をしようと思って、グリフィス大学を目指しました。QIBTと言う、Diplomaコースを経由して、ホスピタリティーの学部に入学するつもりだったのですが、QIBTに入学して思った事が、「アジア人が多い!」ということでした。そして、これはもしかしたら、面白いチャンスかもしれないと思ったのです。それで、進路変更をして、アジアン・スタディーを専攻する事にしました。アジアン・スタディーはビジネススクールに属していて、私たちが第1期生の新しい学部です。正規の学生としては日本人は一人、その他中国人、フィンランド人、スウェーデン人がいて、多数はオーストラリア人の学生たちです。

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実際、アジアン・スタディーってどんなことを学ぶのですか?

アジアの様々な問題について、テーマが選ばれます。特に日本、中国、韓国などの東アジアの問題と東南アジアの経済発展などについてのテーマが多いです。靖国神社の話、原爆の話、アメリカとの安全保障条約の話など、日本人なら本来は自分なりの意見を持っていなくてはいけないテーマが多く、それをきっかけに日本の政治や社会について、興味を持つようになりました。日本で大学生をしていたら、きっと疑問にも思わなかったし、興味も湧かなかった日本の政治やこれからの日本社会の問題について、外国人の学生たちと議論できるのは、とても有意義な経験だと思っています。

将来はどんな仕事をしたいと考えていますか?

映像とジャーナリズムがかけ合わさった世界、例えばドキュメンタリーの制作をしてみたいと考えています。昨年日本で、そのようなテレビ番組の制作会社でインターンをして、さらにその思いが強くなりました。その会社も、海外向けに発信していく事を考えているので、将来はそのように海外にも発信できるようなドキュメンタリーが作れたらいいなと考えています。

特に今、興味があるのは沖縄です。結局何年も、何十年も大きな問題だと分かっているのに、先送りし続けてきています。日本、アメリカ、地元の政治、経済、地元の人々、とても複雑な問題ですが、私は沖縄が日本の中で、一番政治の影響が人々の生活に影響を与えている場所だと思います。日本全体では政治に関心が無くなっている人々が増えている時代に、「政治と人々」という観点で沖縄を取り上げる事で、少しでも自分の生活と政治について考えてもらえればと思います。それから、まだまだ、日本は世界に対して発信が足りていないと思うので、世界の人々ともっと理解し合い、語っていくためにも、アウトプットしていく仕事をしていきたいと思います。

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すでに、将来の仕事や夢を明確にされている奈々さん。留学に来て「アジア人が多い」と感じたことをチャンスにつなげようとした考え方、アジアン・スタディーを勉強して日本をもっと発信したくなった考え方、物事をいつもポジティブにとらえて、挑戦を続ける奈々さんに「海外の大学進学」の素晴らしさを改めて教えてもらった気がします。将来、彼女が作るドキュメンタリーを見るのが楽しみです。

純粋に世界と話す楽しみ

「普通の大学生活では就活は勝てない」とか「グローバル人材にならなければ、生き残れない」とか、日本の留学会社とか人材会社のマーケティング戦略は基本的に恐怖を煽って留学とか海外インターンシップとかに行かせようとします。大衆を相手にしなくてはいけないビジネスは、「大衆に入ってないと不安でしょ」というメッセージを発信して、若者の個性の事などおかまい無しに、市場を維持しようとするわけです。

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私の会社は20人の小さな会社なので、大衆を相手にする必要もありません。だから恐怖を煽る必要もありません。オーストラリアに留学に行く意義は「英語」という世界共通語を使えるようになって、様々な国のバックグラウンドを持つ人々とコミュニケーションを取れるようになること。そして、国民幸福度が世界一と言われる国で、自分の将来のライフスタイルについて考えてみることの大きく2つだと考えています。

日本の企業に就職を有利にするためだけの留学なんてもったいない。その企業が20年後にどうなっているかも分からないし、自分の好きな仕事は有利か不利かとかで計れるようものでは無いのです。純粋に、世界の人たちと出会い、語り、成長できる機会を得るために、オーストラリアに来てください。何でも損得で考える人ではなく、そのようなおおらかな人に、未来のチャンスは訪れるのです。

税金なんて使わなくてもグローバル

現在、クィーンズランド州政府のお手伝いで、「究極のギャップイヤーコンテスト」の告知活動を行っています。
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優勝者には300万円相当の留学プレゼント!が売りの、この企画、実は州政府は全くというほどお金を出していません。クィーンズランド州の教育機関やホームステイ手配会社、学生寮、カンタス航空、保険会社などなどが、クィーンズランド州を盛り上げるためにスポンサーとして自分たちの商品を寄付しているだけなのです。販促や告知活動をお手伝いしている私の会社も、完全にボランティア。ですから、私たちもブリスベンの学生団体のBrisJapanのメンバーにブログを書いてもらったり、日本の学生団体や、学生にネットワークをお持ちの森ゼミさんに告知をお願いしたりと、好意のネットワークを活用させていただいています。

この方式のメリットは、予算がすべて留学生のために使われるということです。日本では、国が留学促進のために予算をつけても、入札があって、コーディネートする業者が決まり、その会社がその事業を行うための臨時社員を雇ったりして、人件費が使われ、告知のための広告費が使われ、、、といううちに留学生に渡るお金が減っていきます。私は、もし1億円の予算があるなら、(つまりは税金ですが)1億円すべてが留学生の留学費用に使われるべきだと思うのです。

その理想の形のひとつが、今回のように、関係者のボランティアな活動で運営する方法なのです。ぜひ、このブログをお読みの方も、好意のネットワークに入っていただき、この太っ腹な企画の紹介をお願いできればと思います。

facebookページはこちら、応募方法などを詳しく説明しているのはこちらです。

昼寝評論家になれるだろうか

週末に一番贅沢なことは何と聞かれたら、僕の場合、間違いなく昼寝です。お金ほとんどかかりません。
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朝にテニスなどの運動をして、しっかりとしたランチとビールを1本飲んで、1時から3時まで、どこか海の近くとか山の中とか、家のベッドでは無いところで、自然の音の中で、ぐっすり眠る。昼寝の方がぐっすり眠れるという人もいるのではないでしょうか?そして、夕方からは買い物を手伝ったり、翌週の仕事の準備をしたりして、のんびり過ごす。イベント的なものは全くありませんが、十分に贅沢です。

オーストラリアには、そんな昼寝環境が整っています。僕が住んでいるゴールドコーストの近くにも砂浜に沿ってちょっとした林があったり、山の中には公園も整備されています。頑張って遠くに出かけなくても、街にひとつはある公園でも昼寝ポイントは簡単に見つけられます。

昼寝最適ポイント評論家として、1年後くらいにデビューできたらと思っています。

資格は自分で作ればいい

留学を考えている人から良くある質問のひとつが、「就職に有利だと思うので、何か資格を取って帰りたいのですが、いい資格を教えてください。」というものです。確かに、履歴書に「自動車運転免許」だけでは淋しいのは分かります。しかし、就職において関係ない分野の資格って意味があるのでしょうか?たぶん、面接でも聞かれませんから、やりたいかどうかも分からない仕事を獲得するために、やりたくもない資格を取るなんて事は時間の無駄ですから止めましょう。
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では、留学中にはどんなことが学べるのか?将来に活きてくる可能性が高く、自分のオリジナリティーを発揮できるものを探す手伝いというのが、僕の仕事のひとつです

例えば、世界中の英語アクセントを聞き分けられますというのは、グローバル企業にとっては、結構使える手に職になってきます。オーストラリアの語学学校にいる、中国人、ブラジル人、スイス人、韓国人、ハンガリー人、イラン人、みーんなその国特有のアクセントで英語を話します。もちろん、日本人もそうです。その違いを聞き分け、モノマネ出来るレベルになると、文化も含めてその国について勉強する事ができ、コミュニケーションのプロとして、企業のグローバルには欠かせない人材になれるかもしれません。クラスメートの話している英語が分からないと、文句を言いたくなったら、これはみんなも思っているのだから、チャンスになるかもしれないと考えるべきです。ビジネスチャンスは頭に来ることのすぐ横にあるものです。

そして、その特技を自分なりの資格にしてしまえばいいのです。「世界の英語アクセント聞き分け検定1級」とか履歴書に書いてみてください。多くの面接官が「何これ?もっと教えて。」となるはずです。これに対して「ふざけたけしからん奴」と判断する会社は、遅かれ早かれうまくいかなくなるんだから、入社しない方が幸せなのです。留学に来て、一緒に面白い資格を作っていきましょう。