ケアンズで日食を見ながら考えたこと

先週は休暇をもらって、ケアンズで皆既日食を体験してきました。私は生まれて初めての経験でしたが、皆既日食の2分間は「見る」というより、不気味に暗くなっていくことを「体験」した時間でした。世界各地からケアンズには6万人の見物客(日食マニア?)が集まって、普段は静かな観光地のケアンズもとても賑わっていました。
Trinity Beach Eclipse

さて、実はこの皆既日食なるものは、毎年2回は地球のどこかで起きているそうです。しかし、それは海の上であったり、人が住んでいない場所であったりして、普通の人々が都市近郊でこのように見える機会は稀なのだそうです。

また、宇宙の時間のスケールで考えると、現在の月の大きさと地球からの距離は皆既日食をみるにはとても恵まれたひとときだそうです。何億年か前はもっと月は地球に近かったし、これから何億年か経過すれば、月は地球から離れすぎて太陽とぴったりと重ならなくなります。
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そんな偶然が重なって初めて見れるからこそ、多くの人たちがその瞬間を体験しに地球の裏側からもやってくるのだと思いました。私たちの生きている時間、場所、環境はほんとうに偶然です。だからこそ、目の前にある機会やチャンスはかけがえの無いものとして、今後もチャレンジしていこうと思いました。

行列に並んでたって君の順番は巡ってこない

行列By yosshi


日本人が圧倒的に弱いと思うのは人と違う戦略をとることをためらってしまうことです。小さいときから、皆と同じでいることが一番の戦略だと教え込まれてきた学校教育の問題だとは思いますが、それにしても海外に来てもそのマインドセットが無くならないのは、かなり根が深いなと感じます。ですから、多くの留学生やワーキングホリデーの方たちが同じような経験をして、同じような履歴書に同じような留学経験を書いて日本に戻っていきます。そして同じような就職先に行列をしているのではないでしょうか。


どうやったら他の人と違う人生が送れるのか?若いうちはそれだけをひたすら追求してもいいのではないかと思います。たぶん、一生追求していても、面白くエキサイティングなテーマだと思います。ギャップイヤーや留学を、そのための第一歩にしてもらえればと思います。

 

 

クィーンズランド大学のギャップイヤープログラム

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クィーンズランド大学はアジアオセアニア地区でトップのビジネススクールを持つブリスベンにある大学です。キャンパスは写真のようにとても美しく、訪れた人は誰でもここで学んでみたいと思う大学です。

この大学附属の語学学校であるICTEは、大学に入学するためのアカデミックな英語プログラムだけではなく、ビジネス英語や社会人を対象とした英語でビジネスを学ぶコースも開催されています。
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校舎も大学のキャンパスの中にあり、語学学校の学生であっても大学の図書館やスポーツ施設を利用することや、大学のクラブなどに参加出来ます。普通の語学学校では味わえないオーストラリアの大学生たちとの交流する機会もあるので、日本の大学生たちが休学して留学する場所としてお勧めしています。

このICTEでの私の一番のお勧めは Go Global というプログラムです。すでにある程度の英語力があり、将来的にグローバル企業で活躍をしたい人向けのプログラムです。就職活動前の大学生やすでに社会人となり、キャリアチェンジを考えている人を対象しています。

まずは10週間、あるいは15週間の英語クラス。一般英語、またはビジネス英語を受講して様々な国からの留学生たちとともに英語のブラッシュアップをします。TOEICなどのテストで高得点の方でも、実際にそのような多国籍クラスに入るとコミュニケーション力の無さを痛感すると思います。しかし、グローバル企業で働くということはそのような環境に慣れて、自分をアピールしていかなくてはなりません。語学学校ではそんな実践ができる練習の場所だと考えてください。

次に2週間の、オーストラリアの企業で働くための異文化理解クラス。これは日本人に取ってはとても役に立つクラスです。面接の受け方から様々な国からの社員が集まるチームでの問題解決方法など、日本ではなかなか学べないトピックばかりです。この2週間のプログラムは私も受けてみたいくらい魅力的です。いつか潜入させてもらえないか頼んでみたいと考えています。
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そして、このプログラムの一番の魅力である8週間のオーストラリア企業でのインターンシップに参加します。どのような業種の会社でインターンシップをしたいかは事前にリクエストができます。オーストラリアのインターンシップ機関と提携しているので、様々な業種から選ぶことが出来るのもクィーンズランド大学というブランドがあるからだそうです。

トータルで学校で17週間のクラスと8週間の企業インターンシップ。ほぼ半年でこのプログラムを完了できますので、ワーキングホリデーの残りの期間は旅をしたり、他の企業で働くことも可能です。このプログラムを利用して、とても有意義なギャップイヤーにしてください。

与えられた機会にベストを尽くしてみよう

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オーストラリアでは、学生ビザの留学生でも週に20時間程度のアルバイトが認められているので、ワーキングホリデーの留学生たちも含めて、仕事探しというのはとても大きな関心事です。そして、多くの人たちが、日本食レストランではなく、どこか地元のレストランやカフェ、あるいは旅行会社などで働きたいと望んでいます。


しかし、そのような場所は競争率も激しいし、どうしても英語力がある人にチャンスは訪れます。ですから多くの日本人にとって、最初の仕事は日本食レストランという可能性が高くなります。ただ、問題はそこからなのです。留学やワーキングホリデーを成功させる人は、そのような仕事でもベストを尽くし、仕事場の中で自分のポジションを確保し、そこで様々なことを学び、次には自分が思い描いていた仕事を得ています。与えられた場所でベストを尽くし、何事も学んでしまう人にチャンスがやってくるというのは、その後の人生においても共通することだと思います。人生において、どんな働き方も一生に一度の機会だと思います。だから、どんな仕事も思い切り楽しんでみて、満足したら次にチャレンジしてみたらいいと思います。

留学を決めたら、ブログを始めよう!

私は留学セミナーで、必ずと言っていいほど「留学中はブログを書こう!」という話をしています。その理由は大きく2つ。

まず自分のために

ギャップイヤーの毎日を記録に残していくことは、かけがえのない自分の財産になると思います。それまでの20数年よりも、濃い1年になるでしょうし、苦労もきっと多いので、困難を克服することによって、自分でもその成長が実感できると思います。留学を始めた頃のブログを読むことで、初心に帰って頑張れるかもしれません。

また、ブログを書いていくと、友人たちが読んでくれて励ましのメッセージをくれることもしばしばです。応援してくれる友だちがいることで、目標に向かって頑張れることもあると思います。

そしてキャリアのために

日本に戻って就職活動をするなら、そのブログのURLを履歴書に書いてアピールしましょう。留学中にブログを書いている人はまだまだ少数派です。ですから、自分を表現出来るものとして、その会社の人事部も注目してくれるはずです。しかし、その場合は内容は注意しましょう。クラブではじけている話題だけだと、せっかくのブログも逆効果です。遊びの写真や記録はfacebookで、日々考えていることはブログでと切り分けるのもいいかもしれません。
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そして、実際ほぼ毎日ブログを書くことを実践している、ワーキングホリデーの方を紹介します。さおりさんは、昨年日本で私のセミナーで出会い、しっかりと準備をしてシドニー、メルボルンと滞在する計画でオーストラリアに来ています。シドニー滞在が終わったところで、一度日本に戻り、メルボルンに行く途中にゴールドコースト空港でお会いしました。

彼女のブログは、留学生たちが必ず悩むカルチャーショックを克服していく過程がよくわかって、とても勉強になります。ぜひ、これから留学やワーホリにオーストラリアに来られる方は、最初から読んでみてください。きっと共感することも多いと思いますよ。彼女の今後のメルボルンでの生活がどのようになるのか、とても楽しみです。

さおりさんのブログは こちら

1年間を自分らしくデザインする

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皆さんのギャップイヤーを人に語れるものにするためには、渡航前にデザインをすることをお勧めします。1年間はあっと言う間なので、こんな感じだったらいいなというのではなく、こういう1年にするんだという強い気持ちが必要です。

前に自分らしい、ユニークな目標を立ててみましょうという話をしましたが、その目標を実現させるのがデザイン力です。未来は決めることはできませんが、デザインすることはできます。ですから、自分らしく未来をデザインする能力というのは、私は人生においてとても重要な能力だと思っています。今まで、何となく親の言うことや周りの友だちに影響されてきた人生を、海外という誰にも邪魔されない新しいステージで、自分をデザインすることはとても面白いことだと思います。

そのデザインをするにあたって、一番難しいのが、英語力の設定です。英語力が向上していくと、新しいことにどんどんチャレンジできます。しかし、最初につまづいて、日本語でもなんとかなるじゃんという生活に突入してしまうと、当初のデザインから大きく外れてしまいます。ですから、最初の3ヶ月にいい学校に通い、高い目標を共有できる友人と出会い、頑張っていけるかが鍵になると思います。

もうひとつ、デザインするときに大切なのは、何かひとつでも月並みではないことが配置したかということです。ワーキングホリデーの方たちが、みんな同じように最初に3ヶ月語学学校に通って、日本食レストランで働いて、、、というのはそれが成功パターンだと思われているからです。確かにそのパターンだと、失敗無く暮らしていけます。しかし、多くの人がそれを目指しているなら、そうではない道筋をぜひ考えていきましょう。私が、うれしくなるのは、「ありきたりのワーホリではない1年を一緒に考えてください。」と相談を受けるときです。

 

 

一生に一度のチャンスだから、いろいろな街に住んでみよう!

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オーストラリアはあまりにも広い(面積は日本の20倍)ので、オーストラリアに暮らしている人でも他の都市に旅をしたことが無い人が数多くいらっしゃいます。私たちの会社は現在5都市(ゴールドコースト、シドニー、メルボルン、ブリスベン、パース)にオフィスがあるので、これらの街に出張する機会が多いのですが、どの街にも特徴があり、出来ることなら住んでみたり、長期滞在してみたいと思うくらい魅力的です。

きっとどの街でも本当に「住めば都」で楽しめるのがオーストラリアの都市だと思います。仕事の都合や長期で学校に通学する人はともかく、ワーキングホリデーの若者で、他の街に住める余裕と機会があるのであれば、出来るだけ多くの街で暮らしてみてほしいというのが私のアドバイスです。そのためにも英語を最初の数ヶ月で上達させて新しい街での出会いに備えてもらいたいのです。

ひとつの場所に慣れてしまうと、確かに友だちも増えたり、楽に生活も出来るのでそこから抜け出すのに勇気や覚悟がいるのですが、皆さんのギャップイヤーの目的は、様々な人々と出会い、様々な経験をして自分を成長させることにあったかと思います。それが、どうしても人間は落ち着きたくなるというか、安定を求める傾向にあるので、ひとつの都市で生活が安定すると動こうとしないのです。迷ったら、旅立ちましょう。きっと次の街にも素敵な出会いがあるはずです。

 

英語を上達させるための秘訣(その1)

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By PromoMadrid


せっかくの留学ですから、英語はできるだけ短期間に上達をしたいところです。これから、そのための秘訣をときどき紹介していこうと思います。

まず、第1回目の今日は、ちょっと過激に「ネットにつながない」という秘訣です。私が留学をした25年前は、インターネットが無かったので、日本に連絡するとか日本の情報を得るなどということはとても難しいことでした。ときどき届く友人からの手紙、国際電話は値段が高すぎてかけられないし、日本の活字は大学の図書館の日本語コーナーにある古い小説といくつかの新聞のみでした。だからこそ、英語を勉強することしかやることは無く、3ヶ月でTOEFLをゼロから550点にするというけっこう無謀な目標も達成することができました。24時間英語漬けで3ヶ月過ごすと私は多くの人がその程度の目標なら達成できると思っています。

ところが時代は変わり、ネット使い放題で、いつも誰かとつながっている若者たちは、学校に通っていても夜は日本の友だちとスカイプをしたりチャットをしたりと圧倒的に英語に触れる時間が海外に住んでいても少なくなっています。ですから、昔に比べると英語の上達に要する期間は長くなっている印象を受けるのです。

英語を上達させたいと思ったら、ネットの無い世界で我慢してみましょう。外国人の友人たちと話すののもいいし、一人で本を読んだりテレビを観たりして、とにかく英語と接する時間を増やすことです。幸い、オーストラリアはインターネットの値段も高いし、スピードも遅いので、毎日30分とか1時間とか接続時間を制限することを絶対にお勧めします。1年くらい音信不通でも、友だちはあなたのことは忘れません。それよりも、英語力を上げることが一番大切な目標なのだということを忘れずに。

将来、違う国に住んでみることを考えてみる

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これから10年後、20年後の日本社会について、若者の皆さんはどうとらえているのでしょうか?明るい見通しを持っている人がどれだけいるのでしょうか?消費税が上がるとか、受け取れる年金が少なくなるというレベルの話で済むのでしょうか?どうなるかは、誰にも分かりません。たぶん、偉い人たちも本当に誰も分かっていないのです。

そんな状況で、日本の若者たちに少し考えてもらいたいのが、他の国に住むという可能性についてです。日本人は、世界でも最も信頼されている国のひとつで、ほぼどこの国にでも旅行することができます。オーストラリアでもアセスメントレベル1と言って、一番学生ビザが取りやすい国民です。そのようにどこにでもぷらっと旅行に行けるから、海外に住むということはあまり考えないのかもしれませんが、日本の経済や財政が破綻したら、現在の開発国のようにお金持ちでしっかりとした理由が無ければ観光旅行にさえ行けなくなるかもしれません。そんな状況が来ないとも限らないのです。

私は、日本がまだ元気?なうちに、他の国に住めるかどうかの可能性を探っておくのも必要なのではとこの頃思い始めました。東南アジアの国であれば簡単に住めるかもしれません。しかし、私自身は3年間くらい地域担当で毎月のように出張に行きましたが、一生住みたいとは思いませんでした。オーストラリアはアジアの国に比較したら永住権を取得するには困難な道のりが待っています。しかし、現在こうやって縁があって住むようになり、日本以外にもうひとつ住むことができる国があることは本当に良かったと思います。

ギャップイヤーはそんなことを考えるのに、いいきっかけとなると思います。オーストラリアのように移民が多い国では、それぞれの人々にバックグラウンドがあり、それぞれ支え合って生きています。世界一幸福を感じている国民ということもうなずけます。そんな国で一生懸命英語でのコミュニケーション力を伸ばし、将来の選択肢を増やしていくことを考えてみたらいかがでしょうか?若ければ若いほど、多くの選択肢が見つけられる国だと思います。

 

大学附属語学学校か私立の語学学校か?

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オーストラリアでは大きく分けて2つのタイプの語学学校があります。大学附属やTAFEと呼ばれる専門学校附属の公立の語学学校と私立の語学学校です。数は圧倒的に私立の語学学校のほうが多く、ニーズに合わせて選ぶことができます。

私は基本的には大学生には大学附属の語学学校、すでに社会人になっている人には私立の語学学校をお勧めしています。日本の大学生に感じてほしいのは、アカデミックな世界の雰囲気。キャンパスの中を様々な国籍の学生たちが歩いているその環境が日本の大学生にはまず経験してほしいのです。大学キャンパス内に語学学校の建物もあり、一般の学生と同じように図書館が使えたり、スポーツ施設が使えるような大学を選んでお勧めしています。今の私の一番のお勧めはクィーンズランド大学の語学学校です。世界大学ランキングのトップ100で、かつ広々とした素晴らしいキャンパスです。現在こちらの大学に通っている学生の体験談などもまとめてみようと思います。

ワーキングホリデーの方々には、アルバイトの情報などが入手しやすい私立の語学学校をお勧めしています。ほとんどの学校は街の中にあり、ビルの1フロアを使っている学校から、1棟まるまる学校というところもあります。私立の語学学校は、「ビジネス」ですので、生徒のニーズに対応するためにそれぞれ特徴を持っています。また、世界から様々なバックグラウンドの学生が集まるので、とてもいい異文化理解の勉強になります。アクティビティーや生徒へのサポートも充実しているところも多く、大学附属の語学学校に比較すると「サービス」が充実しています。ただ、経営母体が変わったり、契約しているエージェントの質が変わったりすることによって、学校の質は大学附属に比較すると流動的で、私たちはその質を留学生からのフィードバックや定期的に訪問することで状況を把握しています。

自分のギャップイヤーにどちらのタイプの学校が適しているのか、じっくり考えてもらいたいし、そのための情報を今後も発信していこうと思います。